藍住町・公共施設複合化事業・町文化ホール(仮称)の行へ

現在の町民会館は築40年余りを経過しており老朽化に伴う耐震不足などのため「町文化ホール・公共施設複合化事業(仮称)が計画されたのは2014年夏ごろのこと。計画では2015年秋までに設計を終え、同年下期の着工、17年3月末の完成で事業終了を目指すとしていた。事業費は34億円(既存施設解体費除く)を見込んでいた。

設計費は1億2400万円とし、9月補正予算案に8400万円を計上するとともに、残りを15年度の債務負担行為として設定。設計業者は久米設計大阪支社(大阪市西区)。

構想案では、老朽化が進む福祉センター周辺(奥野字矢上前32-1、敷地面積3万0940㎡)の公共施設を集約・再編し、文化ホールを核とした複合施設に建て替えるというもの、規模は延べ6500㎡程度。文化ホールは650席、舞台は多様な公演に対応するため、客席と額縁によって明確に区分するプロセニアム方式を採用することになっていた。

会議室や調理室(40~50人程度)、保健センターや包括支援センター、社会福祉協議会の事務室、集団検診用スペースなども設ける。防災拠点に位置付けており、災害時には住民の避難所やボランティアセンターに活用すること。
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修正設計完成予想図
再編対象は
・福祉センター(RC造3階建て延べ1594㎡)
・町民会館(同延べ842㎡)
・保健センター(同造2階建て延べ691㎡)
・勤労青少年ホーム(同造4階建て延べ808㎡)
・緑の広場(管理棟RC造2階建て延べ392㎡、野外ステージなど)の5施設。

15年3月17日、の入札では指名業者全てが辞退したため不調に終わった。6月に指名した5社の内訳は大林組、鹿島、清水建設、大成建設、竹中工務店のうち4社が辞退し不調に終わる。

町は当初、事業費を34億円と見込み、財源の大まかな内訳を、国などの補助金4億2千万円、起債19億8千万円、一般財源10億円と想定していたが、事業費が当初の予定より約3億6千万円膨らみ、約37億6千万円になるとの試算を示した。建築資材費や労務費の上昇が要因としている。12月には1社しか応札がなく3回連続の不調となった。

相次ぐ不調の原因は、複雑な建築構造のため採算性がない、技術者不足などの理由。

石川町長は16年7月28日の町議会全員協議会で、入札不調が続く町文化ホールについて、現行設計案を大幅に見直し、設計委託業者を選び直す考えを示した。

12月定例会の説明で新たな設計委託業者は、教育施設研究所(大阪)に決定。同業者から建物、設備等、図面に沿って概要の説明があった。

久米設計の図面では形状が複雑で難易度の高い技術が必要とされ、費用もそれに伴っていたのではないかと指摘されていた。この度の修正設計で示された完成図を見る限り全く違う汎用の建築方法を採用、外観は箱型を組み合わせたようなモダンな造りになっている。

建築費も技術的にも一般的なもので、完成予想図はこれまで主張してきた建物になったと実感した。町は、久米設計に設計委託料として、既に1億1448万円を支払っており、その上に修正設計費追加で5608万円が補正予算に計上された。

2017年3月に建築工事の施工者選定を予定しており、それまでに設計作業を終えることにしている。スケジュールは17年度早々に着工し、工期は2年を予定、完成は19年内になる見込みだ。工事費は34億8000万円を目安としている。

同事業は藍住町の象徴的存在として、芸術文化発展、住民コミュニティー形成の場としても末永く親しみ活用されてこそ価値あるものとなる、そのためには、内外問わず親しみ使いやすく、人材育成など文化の一大拠点となる施設になるよう期待したい。

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